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当館学芸員らが発見した新種の深海魚を特別展示(終了しました)

当館学芸員らが発見した新種の深海魚を特別展示(終了しました)
アシロ科フクメンイタチウオ属魚類2種

  

研究成果の標本展示

東海大学海洋学部の冨山晋一(博物館)、髙見宗広(水産学科)および福井 篤(水産学科)の研究グループが、深海性アシロ科魚類のイシフクメンイタチウオBassozetus robustusと混同されていた未知の2種を確認し、新種として報告しました。海洋生物の種多様性の一端を広く社会に紹介するため、これらの標本と共に本研究の概要を紹介する特別展示を開催いたします。採集調査の機会が限られる深海性魚類の貴重な標本展示をぜひご覧ください。

研究のポイント

 本研究グループがイシフクメンイタチウオとされる各海域産の計47標本(東海大学海洋学部博物館を含む日、米、仏、新の11研究機関が所蔵)を精査した結果、本種と混同されていた未知の2種を新種Bassozetus trachibranchusおよびBassozetus squamosusとして記載・命名し、イシフクメンイタチウオについても再記載しました。3種は【頭長に対する眼径の比率】【鰓弓(呼吸器官である鰓の一部)の表面構造】【横列鱗数(肛門から前上方へ背鰭の基底まで並ぶ鱗数)などの特徴に基づき識別されます。なお、本研究グループが報告したフクメンイタチウオ属の新種は、2016年Bassozetus mozambiquensisと2018年Bassozetus nielseniに続き計4種となりました。

論文タイトル:Description of two new species of Bassozetus (Ophidiiformes: Ophidiidae) and a redescription of Bassozetus robustus Smith and Radcliffe 1913 
※『Ichthyological Research』 オンライン版(2021年3月16日掲載)

著 者 : 冨山晋一(東海大学海洋科学博物館 学芸員)、髙見宗広(東海大学海洋学部水産学科 特任講師)、福井 篤(東海大学海洋学部水産学科 教授)
※肩書は掲載当時。

 

 

展示期間 2021年4月24日(土)~5月16日(日)
場所 東海大学海洋科学博物館1階
参加料 無料(入館料のみ)
展示標本

Bassozetus trachibranchus  体長406 mm(副模式標本、フロリダ自然史博物館所蔵)
Bassozetus squamosus  体長310 mm(副模式標本、ニュージーランド国立博物館所蔵)
Bassozetus robustus  体長438 mm(高知大学所蔵)